2026年03月06日
ダイバーシティの基礎
ダイバーシティの基礎
ダイバーシティ推進とは何か、そしてその意義などについて分かりやすく解説し、関連する情報をご紹介します。
1 なぜ、ダイバーシティが注目されているか
現在は経済環境の変化が激しく、先が読めない時代となりました。企業経営においても、常に変化、変革を進めていくことが求められています。また、少子高齢化が進む日本では、働き手の数が減り続けており、人手不足は深刻化・恒常化しています。
これらの理由から、これまでのように「同質の」「限られた人材」による「同じような発想/働き方」のもとでは、社会も企業もともに持続的に成長していくことが難しくなっています。
こうした課題に対応するため、ダイバーシティが注目されています。性別、年齢、国籍などの属性に留まらず、多様な人材の個性や価値観を尊重し、多様な発想が創造性の発揮・イノベーションにつながることが期待されています。
言い換えると、ダイバーシティは、変化の激しい環境において競争力の源泉となり、組織が持続的に成長していくために不可欠なものであり、組織の力を高めるために求められています。
大企業での取組みが広がる一方、中小企業においても人材の確保や定着は重要な経営課題となっており、ダイバーシティ推進はその解決に大きく寄与すると考えられます。
2 なぜ、女性活躍が重要なのか
SDGs目標の中にも「ジェンダー平等の実現」が含まれており、「女性の活躍」は国際社会の共通課題です。組織の中で過小評価されがちなグループを調べた結果では、グローバルでも日本でも、「女性」がトップでした※1。※1https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000047.000030621.html
女性が活躍できない組織では、他の多様な人材の活躍も難しいと考えられ、「女性活躍推進はダイバーシティ推進の試金石(バロメーター)」とも言われています。
単に女性がいるだけでは組織の変化は生まれにくく、さまざまな意思決定の場に女性が参加し、影響力を発揮していることが重要です。そのため、管理職や役員における女性比率が、女性活躍推進のKPI (指標)として使われています。
日本では、管理職や役員における女性の比率は増加傾向にはあるものの、世界の水準よりはるかに低い状況です。世界経済フォーラムが毎年発表している「ジェンダーギャップ指数」では、2025年現在、148か国中、日本は118位、OECD加盟国38か国の中では日本は最下位です。(下記6-③参照)
女性活躍は日本経済の活力のためにも不可欠のテーマです。
3 企業にとってのダイバーシティ推進の4つの意義
①経営環境の変化への対応
- 多様な考え方がイノベーションを生み、新しい価値(商品・サービス)を生み出す源泉になる
- 多様化する市場ニーズや急速な変化に柔軟に対応しやすい
- 経営監督機能の強化によって組織リスクを軽減させる
②社員の能力最大化
- 一人ひとりがいきいきと自律的に働きやすい環境を整えることで、社員の能力が最大限に発揮される
- 社員の組織への信頼性が向上する
③人材の確保
- 働き手が減少するなかで、多様な人材に目を向けることで採用候補者層が拡大する
- 多様な能力と経験を持つ優秀人材の獲得や登用につながる
④社会からの要請
- SDGs(持続可能な開発目標)やESG投資(環境・社会・ガバナンスを重視する投資)において企業評価指標になっている
- コーポレートガバナンスコード等により、企業には取組み方針や情報開示などの対応が求められている
4 働く個人にとってのダイバーシティ推進の意義
ダイバーシティ推進は、これまで見えにくかった機会の不均等をなくし、能力が正しく発揮される環境を整えることが目的です。特定の属性に基づく優遇ではありません
性別や年齢、子どもの有無などに関係なく、自分らしい働き方とキャリアを選べる環境が整います。
多様な人材がいることで職場も活性化し、新しいアイディアやものの見方に出会うチャンスが増えます。
職場では、働き方の見直しや育児・介護休業中の方の仕事の代替など、短期的には調整が必要になることもあるかもしれませんが、中長期的には仕事の属人化の解消やコミュニケーションの促進につながります。
5 用語の解説
①ダイバーシティ(diversity)とは
「ダイバーシティ」とは「多様性」を意味します。
性別、年齢、人種や国籍、障がいの有無、性的指向、宗教・信条、価値観などの多様性だけでなく、キャリアや経験、働き方などの多様性も含みます。
ダイバーシティ経営とは「多様な人材を活かし、その能力が最大限発揮できる機会を提供することで、イノベーションを生み出し、価値創造につなげている経営」とされています。(経済産業省HPより)
②インクルージョン(inclusion)とは
「インクルージョン」とは「包摂」「包含」を意味します。
単に多様なメンバーがいるだけではなく、それぞれが組織の一員として自然に参画し、持ち味を生かして活躍することで組織の力が高まっている状況を指します。
多様な人材の力を活かしている、という意味で「D&I(Diversity&Inclusion)」と使われることもあります。
③エクイティ(equity)とは
「エクイティ」とは「公平性」「公正さ」を意味します。
ダイバーシティを活かすには、個々の事情に合わせてそれぞれにとって公正な機会が提供されていることが必要です。このために必要な支援や配慮を行い、全員が能力を発揮できる環境を整えることが重要です。
D&Iが実効あるものとなるために不可欠であり、この概念を含めて、「DEI(Diversity、Equity&Inclusion)」や「DE&I」と呼ぶこともあります。
④ビロンギング(belonging)とは
「ビロンギング」とは「所属感」「帰属意識」という意味です。
組織の一員として尊重されていると実感できる「帰属意識」を意味します。「DEI&B(Diversity、Equity、Inclusion&Belonging)」と言う言葉も使われています。
6 関連情報
①日本における女性管理職など比率の推移

資料:内閣府「男女共同参画白書令和7年版」
(厚生労働省「賃金構造基本統計調査」より内閣府作成)
②就業者と管理的職業従事者における女性の割合の国際比較

資料:内閣府「男女共同参画白書令和7年版」
③「ジェンダー ・ギャップ指数(世界経済フォーラム)」 日本の推移

7 関連法律
- 男女雇用機会均等法
雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律 | e-Gov 法令検索 - 女性活躍推進法
女性の職業生活における活躍の推進に関する法律 | e-Gov 法令検索 - 育児・介護休業法
育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律 | e-Gov 法令検索 - 次世代育成支援対策推進法
次世代育成支援対策推進法 | e-Gov 法令検索



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