2026年04月01日
ハラスメント防止の基礎
セクシュアルハラスメント(セクハラ)
根拠法:男女雇用機会均等法
根拠法:男女雇用機会均等法
(1)セクハラとは
「職場」において行われる、労働者の意に反する(性的関心・性的欲求に基づく)「性的な言動」に対する労働者の対応(拒否・抵抗等)によって、その労働者が労働条件について不利益を受けたり(対価型セクハラ)、「性的な言動」により就業環境が害されること(環境型セクハラ)をいいます。
職場におけるセクハラは、性的な関係の強要といったものから、性的な冗談やからかい、食事やデートへの執拗な誘いといったものなど、その態様はさまざまであり、また、同じ言動に対しての受け止め方にも個人差があります。
(2)セクハラの判断基準
厚生労働省「職場におけるハラスメント対策パンフレット」では、「労働者の意に反する性的な言動であるか」及び「就業環境を害されているか」の判断にあたっては、労働者の主観を重視しつつも、一定の客観性が必要だとして、その判断基準を示しています。
一般的には、意に反する身体的接触によって強い精神的苦痛を被る場合には、一回でも就業環境を害することとなり得ます。
継続性または繰り返しが要件となるものであっても、「明確に抗議しているにもかかわらず放置された状態」、又は「心身に重大な影響を受けていることが明らかな場合」には、(回数のみを判断材料とはせず、少ない回数でも)就業環境が害されていると判断し得るものとされます。
被害を受けた労働者が女性である場合には「平均的な女性労働者の感じ方」を基準とし、被害を受けた労働者が男性である場合には「平均的な男性労働者の感じ方」を基準とすることが適当です。
(3)職場で注意すべきセクハラ発言、セクハラ行動
異性に対するものだけではなく、同性やLGBTQ(※)への性的な言動もセクハラに該当します。性的な言動として、厚生労働省のパンフレットでは、以下の例が挙げられています。
①発言 性的な事実関係を尋ねる、性的な内容の情報(噂)を流布する、性的な冗談やからかい、食事やデートへの執拗な誘い、個人的な性的体験談を話す 等
②行動 性的な関係の強要、不必要な身体接触、わいせつ図画の配布・掲示、強制わいせつ行為 等
また、性別役割分担意識に基づく発言(例:「女性は気が利く」、「男なのに気が弱いね」)、容姿・身体的特徴に関する発言(例:「やせてきれいになった」)、プライベート(恋愛、結婚、家族等)に踏み込む質問(例:「彼女・彼氏はいるの?」「なぜ結婚しないの?」)、身体接触につながる発言(例:肩揉んであげようか)、不快感を与える発言(例:「ちゃん付け)で呼ぶ)などは、セクハラと受け止められる可能性があります。また、勤務時間外に、SNS上でプライベートな領域のメッセージを送ることは、個人のアカウントであってもリスクが高く、職場の関係性においては不適切な行為といえます。
※厚生労働省:職場におけるハラスメント対策パンフレット(PDF)(令和6年11月作成)
(4)事業主の防止措置等
職場におけるセクハラを防止するため、事業主には、各ハラスメント共通の4つの防止措置(㋐事業主の方針の明確化及びその周知・啓発、㋑相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備、㋒事後の迅速かつ適切な対応、㋓相談者等のプライバシーの保護及び相談等を理由とする不利益な取扱いの禁止に関する規定(ルール)の整備と周知等)が義務付けられています。
㋒「事後の迅速かつ適切な対応」においては、セクハラ行為者が他の事業主又はその従業員の場合は、他の事業主に事実関係の確認への協力を求めることや、再発防止に向けた措置への協力を求めることも含まれます。
また、事業主自身又はその従業員のセクハラに関し、他の事業主から事実関係の確認等雇用管理上の措置の実施に関し必要な協力を求められた場合には、これに応ずるよう努めることが求められています。
(5)セクハラのない職場とするために心がけたいこと
性に関する言動に対する受け止め方には個人差があり、セクハラに当たるか否かについては、ケースバイケースで判断されることとなりますが、特に次のような点に注意しましょう。
・親しさを表すつもりの言動であっても、本人の意図とは関係なく相手を不快にさせてしまう場合があります。
・そもそも職場における性的言動は不必要なものです。受け手側も、拒否の意思や不快感は早い段階で明確に伝え、直接、伝えることが難しければ、相談窓口や上司等に相談し、一人で抱え込まないようにすることが重要です。
・「この程度のことは相手も許容するだろう」という勝手な憶測や「相手との良好な人間関係ができている」という勝手な思い込みがセクハラにつながると認識しましょう。相手が拒否したり、嫌がっている可能性がある場合は、同じ言動を繰り返さないようにしましょう。



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