2026年02月20日
スーパーバイザーコラム
相手に届く、効果的な部下指導のためのヒント⑥
【指導に「聞く耳」をもたせるにはどうするか その2】

「部下の話をじっくり聞く暇はないし、そういうキャラでもない」――そう言って諦めてしまうのは早計です。ハラスメントはビヘイビア(行動)の問題で、性格やキャラの問題ではありません。自分の行動を意図的に変えることで、職場のコミュニケーションは大幅に改善できます。ちょっと前までは留守番電話やファックスを使って仕事していたのに、スマホに切り替えられたのです。同じように、部下とのコミュニケーションも切り替えてアップデートしましょう。

「指導のための“かきくけこ”」では、ハラスメントにならない指導のポイントとして、具体的に伝えることを上げています。

 か 「環境」を整える
 き 「記録」に基づく
 く 「具体的」に話す
 け 「傾聴」する
 こ 「これから」を明確にする

け 「傾聴」する その2

傾聴の具体的なテクニックは次の通りです。

1.話しやすい環境づくりを心掛ける
プライバシーが守られる場所を確保するのはもちろんですが、時間的な環境にも配慮しましょう。終了時間が気になるような時間帯は避ける、無理に長く時間を取ろうとするよりも、あらかじめ「今日は15分しか取れませんが、その時間はしっかりお話し聞かせてください」と伝える、といったことを意識すると、相手は話しやすくなります。第14回コラムでも触れた、心理的安全性が担保される環境を作ることは、傾聴においても極めて重要です。

2.非言語メッセージに気をつける
メラビアンの法則では、言語情報そのものが与える影響は7%にとどまると言われています。相手の姿勢、しぐさ、表情から得られる情報に注目しましょう。それと同時に、うなずきや相づちを使って、自分が相手に送っている非言語メッセージにも十分に気をつけましょう。相手が沈黙している時には、自分が話すことで無理に間を埋めようとせず、それを受け止めましょう。

3.相手が話したいと思っていることを聴く
管理職は業務上、「訊く」ことに慣れているので、「聴く」ためには行動の転換が必要です。まずは、相手が言い終わるまで話を聴いて、さえぎらないようにし、お説教・アドバイスは控えましょう。「大したことない」と安易に慰めたり、ふだんのように指示出ししたりすることはぐっとこらえましょう。また、相手の言葉を繰り返したり、「あなたの話を○○と理解しましたが合ってますか?」と要約して確認したりすると、聴いているということが相手に伝わります。
さらに開かれた質問(5W1Hの質問)と閉ざされた質問(Yes/Noで終わる質問)を活用しましょう。一般的には、前半で「昨日の夕飯はなんでしたか?」のように開かれた質問を使い、後半に「(夕飯で食べたカレーは)美味しかったですか?」のように閉ざされた質問を使うと、話題を展開させたあとに集約することができ、効果的に面談などが進められると言われています。

執筆者プロフィール
八木 亜紀子氏(21世紀職業財団 社外相談窓口スーパーバイザー)

博士(医療福祉ジャーナリズム学)/福島県立医科大学 特任准教授 /アアリイ株式会社 代表取締役

米国で日英両語でカウンセリング、ケースワーク、リーダーシップ養成トレーニングを提供。帰国後、専門家養成、従業員支援、障害者就労支援、女性研究者支援、東日本大震災による被災者支援に従事。

 

【資格】
カリフォルニア州臨床ソーシャルワーカー/国際EAP協会認定EAプロフェッショナル/精神保健福祉士/公認心理師

 

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