2026年02月20日
スーパーバイザーコラム
ネガティブな感情と建設的に向き合う~怒りのメカニズムと感情のコントロール~①
【あなたにも役立つ「アンガーマネジメント」】

アンガーマネジメント、と聞くと、怒りを爆発させるような人にだけ関係あるアプローチと思われがちですが、実はそうではありません。「怒り」という感情は怒りっぽい人だけが抱くものではないからです。

一般的に人は怒りを感じると、表出するか、抑圧するか、鎮静化させると言われています。この中で、本人の健康に案外大きいダメージを与えるのが、抑圧する、という選択肢です。なぜなら、外に向かって表出されない怒りのエネルギーが、本人の身体を内側から蝕むからです。血圧が上がって心臓に負担がかかったり、頭痛を起こしたり、不眠になったり、という身体症状に加えて、うつ状態を引き起こすことがあります。最近やる気が出ないな、とか、前のように好きなことが楽しめないな、といった変化に気づいた時、落ち込む理由に心当たりがない場合は、抑え込んだ怒りが原因かもしれません。

そもそも、怒りはさまざまな理由で引き起こされます。上司や部下といった特定の人や、交通渋滞や列車遅延といったトラブルなどの外的な要素が原因の場合もあれば、何かに対して挫折や恐怖を感じたり、がっかりさせられたり、過去の嫌な経験を思い出したり、といった内的なきっかけで怒りを感じることもあります。内的な要因がある程度コントロールできたとしても、外的な要因は、社会生活を続けている限り、完全に回避することは困難です。このことから、怒りに効果的に対処するスキルを身に付けることは、誰にとってもメリットがあると言えるでしょう。

 アメリカで相談の現場に携わっていた時には、女子高校生のサポートグループにアンガーマネジメントを紹介していました。映画やミュージックビデオからイメージされるように、アメリカの男子高校生は怒りを爆発させる傾向が強いですが、それに比べると女子高校生は暴力的に怒りを表出することは少ないです。しかし、そんな彼女たちもいじめのような陰湿な行為に走ったり、どこにも怒りをぶつけられずにうつ状態に苦しんだりすることは稀ではありません。そのため、女子高校生たちにもアンガーマネジメントの効果と必要性が広くうたわれています。

このように、明らかに怒りのコントロールに課題のない人やうつ傾向の人にとっても、アンガーマネジメントは有効なテクニックです。本コラムでは次回以降、具体的なテクニックについてご紹介していきます。

執筆者プロフィール
八木 亜紀子氏(21世紀職業財団 社外相談窓口スーパーバイザー)

博士(医療福祉ジャーナリズム学)/福島県立医科大学 特任准教授 /アアリイ株式会社 代表取締役

米国で日英両語でカウンセリング、ケースワーク、リーダーシップ養成トレーニングを提供。帰国後、専門家養成、従業員支援、障害者就労支援、女性研究者支援、東日本大震災による被災者支援に従事。

 

【資格】
カリフォルニア州臨床ソーシャルワーカー/国際EAP協会認定EAプロフェッショナル/精神保健福祉士/公認心理師

 

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