2026年02月20日
スーパーバイザーコラム
ネガティブな感情と建設的に向き合う~怒りのメカニズムと感情のコントロール~②
【なぜ「アンガーマネジメント」が役に立つのか】

アンガーマネジメントを身に付けることにどんなメリットがあるのか、見てみましょう[図1]。

この図では、縦軸がエネルギーのレベル、横軸が時間の経過を表しています。

怒りのコントロールが苦手な人に、「瞬間湯沸かし器」という表現をよく使いますが、本当に突然怒りのピークを迎える、ということは、心理学的にはめったにありません。あるいは、ある日突然、気持ちが落ちこんで体が動かなくなった、という人がいますが、これも内分泌系や循環器系などの病気でない限り、前触れなくそんな状況になることはそうそうありません。

怒りや、外に発散されない怒りに起因するうつ状態には、なんらかの予兆があり、エネルギーはだんだんと蓄積されていきます(図中①。以下同じ)。それがピークを迎えて爆発します(②)。怒りを外に向けて爆発したり、外に発散されないエネルギーが自分の身体を内側から攻撃したりするのはこの時です。その後、エネルギーレベルは徐々に下がり(③)、一見すると通常に戻ったようにも思えます(④)。

しかし、強い感情を感じている間、わたしたちの身体はギアが上がった状態になっています。そのため、そこで使い果たしたエネルギー(⑤)を取り戻すべく、その後セーブモードのような状態になりますので、本来に戻るにはさらに時間がかかるのです(⑥)。

感情のコントロールを考えると、②の爆発に注目が集まりがちですが、実は、そのあといつもの自分に戻るには思った以上に時間がかかり(⑦)、心身にもダメージがある(⑧)という影響は見逃せません。

そこでアンガーマネジメントの出番です[図2]。

感情のレベルが上がり始めたことにいち早く気づいて(⑨)方向転換することができれば(⑩)、浪費するエネルギーは少なくて済みますし(⑪)、本来の状態に戻るのも早くなります(⑫)。感情に任せて爆発する場合に比べると、アンガーマネジメントのテクニックを使って代替行動が取れれば、元の自分に戻る時間もうんと短くなりますし(⑦、⑬)、心身へのダメージも軽度で済むということです(⑧、⑭)。

執筆者プロフィール
八木 亜紀子氏(21世紀職業財団 社外相談窓口スーパーバイザー)

博士(医療福祉ジャーナリズム学)/福島県立医科大学 特任准教授 /アアリイ株式会社 代表取締役

米国で日英両語でカウンセリング、ケースワーク、リーダーシップ養成トレーニングを提供。帰国後、専門家養成、従業員支援、障害者就労支援、女性研究者支援、東日本大震災による被災者支援に従事。

 

【資格】
カリフォルニア州臨床ソーシャルワーカー/国際EAP協会認定EAプロフェッショナル/精神保健福祉士/公認心理師

 

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