2026年02月20日
スーパーバイザーコラム
アサーションから始める、互いを大切にするコミュニケーション①
【Win-winコミュニケーションとは】

同じことを指摘しても、パワハラと言われてしまう人と感謝される人がいます。この違いには、コミュニケーションスタイルが大きく影響しています。それぞれの関係性やキャラをすぐに変えることは難しいかもしれませんが、より効果的な話し方は身につけて実践することができます。

感情的になった気持ちを切り替えたうえで、問題解決のための交渉を始めるテクニックとして、アサーションをご紹介します。

朝からラーメンが食べたいと思っていたところ、同僚から「ランチ一緒に行こう」と誘われました。ところが「今日はラーメン…」と切り出す前に向こうから「カレーはどう?」と言われてしまった、そんな時、あなたならどうしますか。

特に反論もせず、「ああ、いいね。」とカレー屋についていくのか(①)、「ええ?カレー?…でもしょうがないな、付き合ってあげるよ」とひとこと言ったうえで折れるのか(②)、あるいは「こっちは朝からラーメン食べたいんだよ!」と突っ跳ねるのか(③)。

コミュニケーションスタイルの観点から分析すると、①は受身的なコミュニケーションです。相手はカレーが食べられてOKですが、自分はラーメンが食べられずOKではありません。さらに、そもそもラーメンが食べたかったということ自体、相手には伝わらないので、積もり積もると「言えない自分」を責めて気分の落ち込みやうつにつながることが考えられます。

②は皮肉のコミュニケーションです。英語ではpassive aggressive(受動的攻撃性)と表現されます。表面的には譲っているように見えても、実際は相手を嫌な気持ちにさせる、というのがこのコミュニケーションです。自分がラーメンを食べそびれてOKでないだけでなく、相手も恩着せがましいことを言われてOKではありません。さらに困ったことに、自分では譲歩しているつもりなので、相手への恨みが募り、いずれキレるということが起こりがちです。

③は攻撃的なコミュニケーションです。自分はラーメンが食べられてその場ではOKのようにも思えますが、相手はOKではありません。同じようなことが繰り返されると周囲から孤立して、自分でも後悔することになるでしょう。

それでは、相手も自分もOKな受け答えにはどんなものがあるでしょうか。「カレー、いいですね!ラーメンと思ってたけど、そっちも美味しそうだし、ご一緒します。」(④-1)とか、「カレーもいいなあ。でもごめんなさい、朝からどうしてもラーメンの気分で。また誘ってください。」(④-2)と答えるとどうでしょう。相手の意見に同意しても(④-1)反対しても(④-2)、自分の意見を率直に伝えた上で相手の意見も尊重していることが分かります。この自他の利益を考える、win-winコミュニケーションがアサーションです。

執筆者プロフィール
八木 亜紀子氏(21世紀職業財団 社外相談窓口スーパーバイザー)

博士(医療福祉ジャーナリズム学)/福島県立医科大学 特任准教授 /アアリイ株式会社 代表取締役

米国で日英両語でカウンセリング、ケースワーク、リーダーシップ養成トレーニングを提供。帰国後、専門家養成、従業員支援、障害者就労支援、女性研究者支援、東日本大震災による被災者支援に従事。

 

【資格】
カリフォルニア州臨床ソーシャルワーカー/国際EAP協会認定EAプロフェッショナル/精神保健福祉士/公認心理師

 

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