2026年02月20日
スーパーバイザーコラム
アサーションから始める、互いを大切にするコミュニケーション②
【傾向を掴んでコミュニケーションマスターを目指そう】

Win-winコミュニケーションであるアサーションはもともと、assert(断言する、(権利などを)主張[擁護]する)という動詞から派生した言葉です。しかし「自己主張」と訳してしまうと自己中心的なニュアンスが加わるため、「自分と相手を尊重する自己表現」としてカタカナ表記で用いられます。アサーションとアサーティブネスはほぼ同義語です。

自己表現が難しいのは断る時だけではありません。そこで、次のチェックリストを参考に、自分のコミュニケーションパターンを振り返ってみましょう。

自分から周囲に働きかける言動
1.誰かにいい感じを持ったとき、その気持ちを率直に表現できますか。
2.自分の長所やなしとげたことを人に言うことができますか。
3.自分がイライラしたり、緊張したりしているとき、それを人に言うことができますか。
4.見知らぬ人たちの会話の中に、気楽に入っていくことができますか。
5.会話の場から立ち去ったり、別れを言ったりすることができますか。
6.自分が知らないことや分からないことがあったとき、説明を求められますか。
7.人に援助や助言を求めることができますか。
8.人と異なった意見や感じを持っているとき、それを表現することができますか。
9.自分が間違っているとき、それを認めることができますか。
10.適切に批判を述べることができますか。

周囲からの働きかけに応じる言動
11.人から誉められたとき、素直に受け止められますか。
12.自分の行為を批判されたとき、受け応えができますか。
13.不当な要求をされたとき、それを拒むことができますか。
14.長電話や長話のとき、自分から切り上げることができますか。
15.あなたの話をさえぎって話し出した人に、そのことを言えますか。
16.パーティや催し物への招待を、受けたり断ったりできますか。
17.押し売りを断れますか。
18.注文通りのもの(料理や洋服)がこなかったとき、それを言って交渉できますか。
19.あなたに対する人の行為が煩わしいとき、断ることができますか。
20.援助や助言を求められたとき、必要であれば断ることができますか。

参考:平木典子「アサーショントレーニング-さわやかな自己表現のために-」をもとに改変

昭和の時代のドラマや映画では、自分の身内を褒められて「あんなの全然大したことないよ」とけなす場面が良く出てきました。謙遜を美徳とする日本社会のコミュニケーションでは、褒められた時に額面通りに喜んだり、自分の成功をそのままアピールしたりすることを嫌がる傾向が、まだまだ根強くあります。

しかし、コミュニケーションは双方向的なものです。AがBを褒めた時にBがそれを否定すると、逆にBがAを褒めた場合にもAの否定的な反応を誘発します。また、そもそも褒められたことを否定するBが、素直にAを褒められるかと考えると、疑問が残ります。謙遜しようとするあまり、自分や周囲の人を貶めていないか、検証しましょう。

またチェックリストに目を通すと、同じ項目であっても相手や場面によってできる時とできない時があったり、過去にはできなかったが今はできるようになったものがあったりすることに気づかれたと思います。新しいコミュニケーションスキルを身につける準備として、まずは自分の傾向を把握して分析することから始めましょう。

執筆者プロフィール
八木 亜紀子氏(21世紀職業財団 社外相談窓口スーパーバイザー)

博士(医療福祉ジャーナリズム学)/福島県立医科大学 特任准教授 /アアリイ株式会社 代表取締役

米国で日英両語でカウンセリング、ケースワーク、リーダーシップ養成トレーニングを提供。帰国後、専門家養成、従業員支援、障害者就労支援、女性研究者支援、東日本大震災による被災者支援に従事。

 

【資格】
カリフォルニア州臨床ソーシャルワーカー/国際EAP協会認定EAプロフェッショナル/精神保健福祉士/公認心理師

 

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