2026年02月20日
スーパーバイザーコラム
アサーションから始める、互いを大切にするコミュニケーション③
【日本語でもしっくりくる「わたしメッセージ」】
【日本語でもしっくりくる「わたしメッセージ」】
アサーションを紹介すると、カタカナ表記だし、そもそも日本語には馴染まないんじゃないの、というコメントをいただくことがあります。確かに、アサーションで重要なテクニックの「“I”メッセージ(わたしメッセージ)」は、日本語では普通は使わない「私」を強調しますから、言いようによっては不自然に聞こえるかもしれません。しかし、ちょっと工夫すれば、日本語でも違和感なく、アサーションのテクニックが使えます。
人と交渉するとき、使ってしまいがちなのが「”You”メッセージ(あなたメッセージ)」です。自分の意見が理解されないと、もどかしさから「どうしてわからないのか」と、ついそのまま口にしてしまいますが、この発言には「あなたは(わからない)」という主語が隠れています。
このように「あなたは」と言われると、言われた方はカチンときたり責められたように感じたりして防衛的になり、話を聞き入れることが難しくなります。そうなっては、双方が感情的になって、交渉が物別れに終わってしまいかねません。そこで、意識して使いたいのが「“I”メッセージ(わたしメッセージ)」です。「あなたがわからない」ではなく、「わたしがもどかしい」と率直に伝える、というのが、わたしメッセージの基本です 。
“I”メッセージは、英語では”W-I-W“メッセージとして説明されます。

© Akiko Yagi
日本語ではこれを「状況」「気持ち」「提案」と置き換えて紹介しています。例えば、

© Akiko Yagi
あなた、や私、を言葉として入れない代わりに、あくまで自分目線で語ることが重要です。わたしメッセージのポイントは次の3点です。
1.状況は十分に説明する
交渉が必要な場面に遭遇したら、なぜ相手の提案をそのまま受け入れられないのか、しっかり丁寧に説明するようにしましょう。いきなり結論や感情論にしないよう、意識しましょう。
2.自分の気持ちを率直に伝える
困っている、とか、本当はやりたい、と言われれば、言われた方も「じゃあなんとかしましょう!」と言いやすくなります。アサーションの目的は、相手に交渉のテーブルに着いてもらうことだというのを忘れずに。
3.代案を必ず提示する
単にできないと言いっぱなしにせず、かといってできない約束はしないように、現実的な代替案を提示しましょう。「これはできないけれど、ここまではできます」という限界を伝えるようにしましょう。
「(君、)やる気あるのか!?」ではなく、「進んでないみたいで(私が)心配なんですよ」とわたし目線に言い換えることで、win-winのコミュニケーションが可能になります。
博士(医療福祉ジャーナリズム学)/福島県立医科大学 特任准教授 /アアリイ株式会社 代表取締役
米国で日英両語でカウンセリング、ケースワーク、リーダーシップ養成トレーニングを提供。帰国後、専門家養成、従業員支援、障害者就労支援、女性研究者支援、東日本大震災による被災者支援に従事。
【資格】
カリフォルニア州臨床ソーシャルワーカー/国際EAP協会認定EAプロフェッショナル/精神保健福祉士/公認心理師



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