2026年04月01日
ハラスメント防止の基礎
ハラスメントに関する企業の法的責任と防止対策の必要性
ハラスメントに関する基礎情報
職場におけるハラスメント防止については、1997年の男女雇用機会均等法改正により、事業主に女性労働者に対するセクシュアルハラスメント(セクハラ)防止に関する配慮義務が規定されて以降、ハラスメント行為の種類や対象者の拡大が図られるとともに、事業主と労働者双方の責務が法律に規定されるなど、着実に法整備が進められてきました。
職場におけるハラスメントは、労働者の尊厳や人格を傷付け、職場環境を悪化させるとともに、企業にとっても人材流出や社会的信用の低下等の影響をもたらす深刻な問題であり、事業主にはハラスメント防止と事後対応の両面から実効性ある取組みを行うことが求められています。 ・5つのハラスメントを中心に、ハラスメントのない職場づくりに役立つ基本的な情報をコンパクトに提供します。
企業の法的責任と防止対策の必要性
「職場におけるハラスメント」のうち、法律上、その定義が規定され、企業にハラスメント防止の措置を講じることが義務づけられているのは、「パワーハラスメント」(パワハラ)、「セクシュアルハラスメント」(セクハラ)、「妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント」)(※)、「カスタマーハラスメント」(カスハラ)、「求職活動等におけるセクシュアルハラスメント」(就活セクハラ)の5つです(カスハラ及び就活セクハラが規定された改正労働施策総合推進法等は、2025年6月4日成立、2026年10月施行予定)。
これらのハラスメントについて、企業が適切な対策を行わなかった場合、厚生労働大臣(都道府県労働局)による報告の求め,助言,指導,勧告の対象となり、勧告に従わなかった場合は公表される可能性もあります。
※「妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント」の呼称については、女性労働者の妊娠・出産・育児休業等に関連するハラスメントを「マタハラ」、男性労働者の育児休業等に関するハラスメントをパタニティ・ハラスメント(パラハラ)、介護に関連するハラスメントをケアハラスメント(ケアハラ)と区別する言い方もあります。
また、企業は労働者の生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をすべき安全配慮義務(労働契約法第5条)を負っていますので、職場で発生する様々なハラスメントを防止し、対処することが求められ、安全配慮義務に違反したとされた場合には債務不履行により損害賠償責任が生じる可能性があることにも留意が必要です。
ハラスメントの防止は、法令遵守やリスク管理の観点のみならず、労働者のエンゲージメント向上や生産性の向上に直結し、企業の持続的な成長に欠かせない要素でもあり、企業には実効性ある防止対策を継続的に進めることが求められています。



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