女性労働関係 平成19年度 企業のポジティブ・アクションの取組に関する調査

I 調査の概要

1. 調査の目的

 この調査は、女性労働者の雇用管理の実態について、平成15年度「女性雇用管理基本調査」の回答企業に調査を行うことにより、当該回答企業が現在どのような雇用管理の状況にあるかを、ポジティブ・アクションの取組状況との関連性も検証しながら把握することを目的とする。

2. 調査の対象

(1)平成15年10月現在で厚生労働省が実施した平成15年度「女性雇用管理基本調査」の回答企業、即ち、平成15年現在、下記(2)の産業に属し、本社において常用労働者を30人以上雇用している民営企業のうちから、産業・規模別に層化して抽出した約7,000企業のうち、同調査に回答した5,261社。

(2)日本標準産業分類による次に掲げる産業
    イ 鉱業
    ロ 建設業
    ハ 製造業
    ニ 電気・ガス・熱供給・水道業
    ホ 情報通信業
    ヘ 運輸業
    ト 卸売・小売業
    チ 金融・保険業
    リ 不動産業
    ヌ 飲食店、宿泊業
    ル 医療、福祉
    ヲ 教育、学習支援業(学校教育を除く)
    ワ 複合サービス業
    カ サービス業(他に分類されないもの)<家事サービス業、外国公務を除く>

3.回収数及び回収率

 5,261社のうち、936社から回答を得た。そのうち有効な回答は927社で、有効回収率は17.6%であった。

4. 調査時期

平成19年12月~平成20年1月

5.調査機関

財団法人21世紀職業財団

6.調査方法

通信調査

7.調査票

「企業のポジティブ・アクションの取組に関するアンケート」

Ⅱ 調査結果の概要

1.調査対象企業の概要

 この報告書は、平成15年度実施の「女性雇用管理基本調査」(厚生労働省雇用均等・児童家庭局実施)に回答した企業5,261社を対象に「企業のポジティブ・アクションの取組に関するアンケート」調査を実施し、有効な回答を得た企業(927社)について集計した結果である。

(1)産業、規模別の状況

 回答企業927社を産業別にみると、製造業が47.2%とほぼ半数を占め、ついでサービス業が22.2%となっており、この2産業で全体の69.4%と7割近くを占めている。
  企業規模別には、30~99人規模が30.2%、100~299人規模が29.7%と、300人未満の中小規模企業が59.9%を占めている。他方、5,000人以上の大企業の占める割合は5.4%にすぎず、1,000人以上の規模でみても全体の16.6%である。
 なお、本調査は、平成15年度実施の「女性雇用管理基本調査」(30人以上規模を対象とする)に回答した企業の現状を把握し、平成15年度の状況と比較することを目的としていることから、平成15年調査後企業規模が1~29人となった企業が29社あるが、この企業も30~99人の企業規模に加えている。(付表第1表)

2.新規学卒者の採用状況

(1)性別、学歴別、職種別採用状況

 平成19年4月の新規学卒採用者の男女比は女性32.9%、男性67.1%で、男性の採用割合は女性の約2倍である。
  学歴別でみると、男女計では四年制大学卒(大学院卒を含む。以下同じ)が68.1%、短大・高専卒が9.6%、高校卒が22.3%となっており、四年制大学卒が約7割を占めている。男女別で見ると男女とも四年制大学卒は約7割(女性66.1%、男性69.1%)であるが、女性は男性と比べ短大・高専卒の割合(女性15.4%、男性6.8%)が8.6%ポイント高く、高校卒の割合(女性18.5%、男性24.1%)が5.6%ポイント低い。
 職種別でみると、男女計では事務・営業系が49.8%、技術系が50.2%で、両者とも50%前後であるが、女性は事務・営業系が74.4%、技術系が25.6%と事務・営業系の割合が高い。一方、男性は技術系が62.3%、事務・営業系は37.7%と技術系の割合が高い。女性は約7割が事務・営業系に採用され、男性は約6割が技術系に採用されている。
 職種別にみた学歴構成は、事務・営業系では78.0%が四年制大学卒、10.7%が短大・高専卒、11.3%が高校卒であり、技術系では58.2%が四年制大学卒、8.6%が短大・高専卒、33.2%が高校卒である。男女別にみると、女性の事務・営業系では、69.7%が四年制大学卒、17.3%が短大・高専卒、13.0%が高校卒、技術系では、55.5%が四年制大学卒、9.9%が短大・高専卒、34.6%が高校卒となっている。男性の事務・営業系では、86.1%が四年制大学卒、4.2%が短大・高専卒、9.7%が高校卒、技術系では58.8%が四年制大学卒、8.4%が短大・高専卒、32.9%が高校卒である。(図表1、付表第2表)


(2)新規学卒平均採用人数及び増減状況

①性別、学歴別、職種別状況

 平成19年4月の新規学卒平均採用人数は平成15年4月の新規学卒平均採用人数を大幅に上回っている。即ち、平成15年4月の平均採用人数は女性4.7人、男性10.3人の合計15.0人であるのに対して、平成19年4月の平均採用人数は、女性7.6人、男性15.4人の合計23.0人であり、平成15年4月に比べ8.0人の増加となっている。このように、増加人数の内訳は、男性は女性より2.2人多いが、平成15年4月と比較した増加率をみると、女性の採用人数の増加率は61.1%で男性の49.5%を11.6%ポイント上回っている。
  学歴別にみると、平成19年4月の平均採用人数は四年制大学卒が15.7人(女性が5.0人、男性が10.7人)、短大・高専卒が2.2人(女性1.2人、男性1.1人)、高校卒5.1人(女性1.4人、男性3.7人)となっており、大学卒の平均採用人数が多い。平成15年4月の平均採用人数と比べると、増加率の高いのは、女性では、四年制大学卒が70.5%、男性では高校卒が151.0%となっている。
 職種別にみると、平成19年4月の平均採用人数は、事務・営業系が11.5人(女性5.6人、男性5.8人)、技術系が11.5人(女性1.9人、男性9.6人)であり、平成15年4月と比べると、男性では高校卒技術系、高校卒事務・営業系、短大・高専卒事務・営業系の増加率がそれぞれ152.7%、141.7%、99.1%と高く、女性では、高校卒技術系、四年制大学卒事務・営業系の増加率がそれぞれ84.3%、76.8%と高くなっている。(付表第3表)

② 産業別採用状況

 平成19年4月の新規学卒平均採用人数を、産業別にみると、金融・保険業の89.9人(女性61.5人、男性28.4人)が他産業に比べ群を抜いて多い。次いで、建設業の40.6人(女性12.9人、男性27.7人)、卸売・小売業の37.3人(女性14.5人、男性22.8人)となっている。 男女の採用割合で見ると、女性の採用が5割以上を占める産業は、金融・保険業(68.4%)、医療・福祉(65.9%)、飲食店、宿泊業(57.9%)、教育、学習支援業(52.6%)、不動産業(52.2%)である。男性の採用割合が5割以上を占める産業は、電気・ガス・熱供給・水道業(79.8%)、製造業(77.4%)、建設業(68.3%)、運輸業(64.8%)、卸売・小売業(61.1%)、情報通信業(59.6%)である。
  平成15年4月の平均採用人数と比較すると、平成19年4月に平均採用人数が2倍以上増加しているのは、金融・保険業(増加率163.1%)と電気・ガス・熱供給業、水道業(121.2%)である。
 特に、男性、女性とも2倍以上増加しているのは、金融・保険業(女性191.5%、男性117.3%)、電気・ガス・熱供給、水道業(女性187.3%、男性109.1%)である。その他、増加率が高いのは、女性の不動産業(140.0%)、建設業(117.7%)である。
 一方、平均採用人数が減少しているのは教育・学習支援業であり、平成19年4月の平均採用者人数は平成15年4月の78.0%となっており、特に女性は68.9%となっている。また、医療・福祉では女性が平成15年4月の95.7%となっているのに対し、男性は増加率70.4%となっている。(付表第3表)

③ 企業規模別採用状況

 企業規模別にみると、企業規模が大きくなるに従い、平均採用人数が多くなり、企業規模間に大きな差が見られる。5,000人以上規模では220.2人(女性69.1人、男性151.2人)であるのに対し、30~99人規模では1.3人(女性0.3人、男性0.9人)となっている。
  平成15年4月に比べると、5,000人以上規模では79.9人(女性31.0人、男性49.0人)増加しているのに対し、30~99人規模では0.4人増加(女性0.1人減少、男性0.3人増加)となっている。
 増減率でみると、5,000人規模での増加割合が高く、特に、女性は81.2%と規模・男女別でみて一番高い割合を示している。 (付表第3表)

(3)企業における女性の採用状況及び増減状況

① 採用の有無別企業割合

 平成19年4月に新規学卒者を採用した企業割合は65.6%と、平成15年4月に新規学卒者を採用した企業割合58.7%を上回っている。(付表第4表)

② 女性採用の有無別企業割合

 新規学卒者を採用した企業のうち、平成19年4月に女性を採用した企業は75.4%、女性採用なしの企業は24.5%となっており、平成15年4月と比較し(「採用した」71.7%、「採用なし」28.3%)、女性を採用した企業の割合は3.7%ポイント増加している。
  これを、採用区分別にみると、女性を採用している企業の割合が最も増加しているのは四年制大学卒事務・営業系(79.3%)であり、平成15年4月(72.0%)と比べ7.3%ポイント増加している。ついで、技術系の高校卒(38.6%)で、平成15年4月の32.9%から5.7%ポイント増加している。(図表2、付表第4表)

③ 男女とも採用した企業の割合及びその変化

 平成19年4月に新規学卒者を採用した企業について、男女の採用状況をみると、「男女とも採用」した企業は66.4%、「女性のみ採用」した企業が9.0%、「男性のみ採用」した企業が24.5%である。
  採用区分別に見ると、四年制大学卒事務・営業系で「男女とも採用」とする企業が64.1%とその割合が最も高い。ついで、四年制大学卒技術系で45.5%となっている。
 平成15年4月と比べると、「男女とも採用」企業の増加割合が高いのは高校卒技術系の8.9%ポイント(平成15年23.3%、平成19年32.2%)、四年制大学卒事務・営業系の5.0%ポイント(平成15年59.1%、平成19年64.1%)である。
 平成15年4月に「男女とも採用」した企業について、その84.0%が平成19年4月においても「男女とも採用」している。一方、平成15年4月に「男性のみ採用」した企業が平成19年4月の採用では33.8%が「男女ともに採用」しており、「男性のみ採用」する企業は39.0%に減少している。(図表2、付表第4表、第5表)

(採用ありの企業=100.0%)

④ 新規学卒採用者に占める女性の割合別企業の割合

 平成19年4月に女性を新規採用した企業について、新規学卒採用者全体に占める女性の割合(以下「女性比率」という)を階層別にみると、「10%未満」が7.2%、「10~20%未満」が13.9%、「20~30%未満」が16.3%であり、「30%未満」が全体の37.4%となっている。平成15年4月には「30%未満」の割合が35.7%で、大きな変化は見られない。(付表第6表)

⑤ 新規学卒採用者に占める女性比率の増減状況

 平成15年4月と平成19年4月ともに女性を採用した企業について、女性比率が「5%ポイント以上増加」した企業は38.4%、「変化なし」は30.7%、「5%ポイント以上低下」は31.0%となっている。学歴・職種別で見ると、5%ポイント以上増加した企業の割合が最も高いのは四年制大学卒事務・営業系の42.1%である。(付表第7表)

(4)ポジティブ・アクションの取組状況別採用状況

 ポジティブ・アクションの取組状況を次の図表3のとおり4タイプに分類し、各タイプをAタイプ、Bタイプ、Cタイプ、Dタイプと呼ぶ(以下同じ)。

図表3  ポジティブ・アクションの取組状況による分類

タイプ名 区分 企業数 割合
Aタイプ 15年調査及び19年調査の両方で、ポジティブ・アクションに「取り組んでいる」と回答した企業 186 20.5
Bタイプ 15年調査でポジティブ・アクションに「取り組んでいない」と回答し、19年調査で「取り組んでいる」と回答した企業 104 11.5
Cタイプ 15年調査でポジティブ・アクションに「取り組んでいる」と回答し、19年調査で「取り組んでいない」と回答した企業 204 22.5
Dタイプ 15年調査及び19年調査の両方で、ポジティブ・アクションに「取り組んでいない」と回答した企業 414 45.6
合計 908 100.0

① 男女とも採用した企業の割合及びその変化

 平成19年4月に新規学卒者を採用した企業について、その採用状況をポジティブ・アク ションの取組状況別にみると、Aタイプは4タイプの中で「男女とも採用」とする割合が79.6%で最も高く、「男性のみ採用」とする割合が15.0%で最も低い。Aタイプと対照的なのがDタイプで、4タイプの中で「男女とも採用」が55.1%と最も低く、「男性のみ採用」が32.2%で最も高い割合となっている。Bタイプは「男女とも採用」76.8%、「男性のみ採用」が15.9%、Cタイプは「男女とも採用」67.1%、「男性のみ採用」が24.5%となっている。
  平成15年4月の採用状況と比べると、「男女とも採用」している企業の割合は、Aタイプでは平成15年4月の75.9%から3.7%ポイント上昇し、Bタイプでは平成15年4月の62.9%から13.9%ポイント上昇し、Cタイプでは平成15年4月の66.4%から0.7%ポイント上昇し、Dタイプでは平成15年4月の48.0%から7.1%ポイント上昇している。(図表4、付表第4表)

(注)Aタイプ:15年調査及び19年調査の両方で、ポジティブ・アクションに「取り組んでいる」と回答した企業
   Bタイプ:15年調査でポジティブ・アクションに「取り組んでいない」と回答し、19年調査で「取り組んでいる」と回答した企業
   Cタイプ:15年調査でポジティブ・アクションに「取り組んでいる」と回答し、19年調査で「取り組んでいない」と回答した企業
   Dタイプ:15年調査及び19年調査の両方で、ポジティブ・アクションに「取り組んでいない」と回答した企業

 採用状況の変化については、Aタイプでは平成15年4月に「男女とも採用」していた企業の90.7%が平成19年4月においても「男女ともに採用」している。また、平成15年4月に「男性のみ採用」していた企業の44.4%が平成19年4月の採用には「男女とも採用」しており、「男性のみ採用」のままの企業(33.3%)を上回っている。Bタイプでは平成15年4月に「男女とも採用」していた企業の88.6%が平成19年4月においても「男女とも採用」しており、平成15年4月に「男性のみ採用」していた企業の57.1%が平成19年4月には「男女とも採用」しており、「男性のみ採用」のままの企業(28.6%)を上回っている。 Cタイプでは平成15年4月に「男女とも採用」していた企業の83.5%が平成19年4月には「男女とも採用」しており、平成15年4月に「男性のみ採用」していた企業の41.9%が平成19年4月でも「男性のみ採用」となっている。Dタイプでは平成15年4月に「男女とも採用」している企業の74.7%が19年4月においても「男女ともに採用」しており、平成15年4月に「男性のみ採用」していた企業の40.0%が平成19年4月でも「男性のみ採用」のままとなっている。 (付表第5表)

② 新規学卒採用者に占める女性比率の増減状況

 平成15年4月と平成19年4月ともに女性を採用した企業について、ポジティブ・アクションの取組状況別にみると、女性比率が「5%ポイント以上増加」した企業の割合は、Aタイプが41.7%、Bタイプが34.9%、Cタイプが37.3%、Dタイプが37.9%となっている。(付表第7表)

3.部門別配置状況

(1)平成19年の部門別配置状況

 部門別の配置状況を当該部門がある企業についてみると、どの部門においても「いずれの職場にも男女ともに配置」とする企業が45.7%、「男性のみ配置の職場あり」が51.2%となっている。
  部門別にみると、各部門とも「男女ともに配置」が8割前後を占めている。特に「人事・総務・経理部門」では「男女ともに配置」が89.5%となっている。
 「男性のみ配置の職場あり」とする割合が高いのは「営業部門」で29.0%、ついで「情報処理部門」(23.9%)、「研究・開発・設計部門」(23.6%)である。
 「女性のみ配置の職場あり」とする割合が高いのは「人事・総務・経理部門」であり、その割合は6.9%となっている。(図表5、付表第8表)

(2)平成15年調査との比較

 部門別配置状況について平成15年調査と平成19年調査を比べてみると、「いずれの部門にも男女を配置」とする企業の割合が全ての部門で低下し、反対に「男性のみを配置している部門あり」とする企業の割合が全ての部門で増加している。特に、「情報処理部門」、「企画・調査・広報部門」でそれぞれ8.8%ポイント、8.5%ポイントの増加となっている。(図表5、付表第8表)

(当該職務あり企業=100.0%)

(注)「女性のみ配置あり」と「男性のみ配置の職場あり」がM.A.のため、合計が100.0%を超える場合もある。

(3)ポジティブ・アクションの取組状況別配置状況の変化

 ポジティブ・アクションの取組状況から見た平成15年調査と平成19年調査における配置状況の変化については、次のとおりである。
  Aタイプは「いずれの部門にも男女を配置」している企業の割合が平成15年の71.0%から平成19年の64.9%に減少しており、「男性のみ配置している部門あり」の企業の割合が平成15年の25.8%から平成19年の30.8%に増加している。Bタイプ、Cタイプ、Dタイプでは「いずれの部門にも男女とも配置」の割合が低下し(Bタイプ平成15年61.5%→平成19年48.1%、Cタイプ平成15年59.3%→平成19年48.0%、Dタイプ平成15年48.7%→平成19年36.5%)、「男性のみを配置している部門あり」の割合が上昇している(Bタイプ平成15年37.5%→平成19年48.1%、Cタイプ平成15年38.7%→平成19年50.0%、Dタイプ平成15年47.5%→平成19年60.6%)。(付表第8表)

(4)10年前と比較し女性を新たに配置した又は女性の数が増えた業務の有無

 10年前と比較して女性を新たに配置した又は女性の数が増えた業務の有無についてみると、「あり」とする企業は43.0%、「なし」とする企業が54.3%である。その業務で多いものは、「企画、開発業務」(39.1%)と「対外的折衝が多い業務」(37.1%)である。
  ポジティブ・アクションの取組状況との関連をみると、平成19年調査でポジティブ・アクションを実施しているAタイプ、Bタイプの企業では、10年前と比較して女性を新たに配置した又は女性の数が増えた業務が「あり」とする割合は、それぞれ66.7%、58.7%と6割前後となっている。一方、平成19年調査でポジティブ・アクションを実施していないCタイプ及びDタイプの企業では「あり」とする割合がそれぞれ41.2%、30.9%となっており、A,Bタイプより低い割合にとどまっている。また、業務別にみると「対外的な折衝が多い業務」がA、Bタイプがそれぞれ57.3%、32.8%、C、Dタイプがそれぞれ26.2%、26.6%、「全国転勤がある業務」がA、Bタイプがそれぞれ28.2%、24.6%、C、Dタイプがそれぞれ13.1%、3.1%となっており、他の業務に比較してA、BタイプとC、Dタイプの差が大きくなっている。(図表6、付表第9表)

(10年前と比較して女性を新たに配置した又は女性の数が増えた業務ありと回答した企業=100.0%)

4.コース別雇用管理制度

(1)コース別雇用管理制度の状況

 平成19年調査でコース別雇用管理制度「あり」の企業は19.0%、「なし」が79.7%となっている。
  平成15年調査と比較すると、「あり」の企業の割合は1.5%ポイント増加し、「なし」の企業の割合は2.8%減少している。
 規模別にみると、従業員「5,000人以上」の企業で58.0%、「1,000~4,999人」で37.5%、「300~999人」で27.5%、「100~299人」で14.9%、「30~99人」で4.9%と、企業規模が大きいほどコース別雇用管理制度のある企業の割合が高くなっている。また、「30~99人」を除くすべての規模で、制度のある企業の割合が増加している。
 また、業種別にみて、コース別雇用管理制度のある企業の割合が高いのは、金融・保険業(43.5%)、運輸業(29.0%)などである。(図表7、図表8、付表第10表)



 平成15年調査で「コース別雇用管理制度あり」と回答した企業のうち平成19年調査でも「コース別雇用管理制度あり」とする企業は61.7%に減少し、平成15年調査で「コース別雇用管理制度なし」とした企業は平成19年調査でも「コース別雇用管理制度なし」が88.8%となっている。(付表第11表)

(2)コース別雇用管理制度の見直し状況

① コース別雇用管理制度の見直し状況

 平成19年調査でコース別雇用管理制度「あり」の企業について、「コース別雇用管理制度の見直し」をした企業は36.4%、「コース別雇用管理制度の見直しを検討中」の企業は11.4%、「コース別雇用管理制度の見直しをしなかった企業」が47.7%となっている。(図表9、付表第12表)

(コース別雇用管理制度ありの企業=100.0%)

② ポジティブ・アクションの取組状況の区分による見直しの状況

 平成19年調査でポジティブ・アクションに取り組んでいるAタイプ、Bタイプでは「見直した」(Aタイプ38.6%、Bタイプ48.1%)及び「見直し検討中」(Aタイプ12.3%、Bタイプ14.8%)を合わせた割合がそれぞれ50.9%、62.9%と5割を超えているが、平成19年調査でポジティブ・アクションに取り組んでいないCタイプ、Dタイプの企業では「見直した」(Cタイプ31.8%、Dタイプ31.9%)及び「見直し検討中」(Cタイプ6.8%、Dタイプ10.6%)を合わせた割合がそれぞれ38.6%と42.5%と、Aタイプ、Bタイプよりも低くなっている。
  なお、コース別雇用管理制度を見直した企業の内訳は、Aタイプ(34.4%)、Bタイプ(20.3%)、Cタイプ(21.9%)、Dタイプ(23.4%)となっている。(図表10、付表第12表)

(コース別雇用管理制度ありの企業=100.0%)

③ コース別雇用管理制度の見直しの内容

 コース別雇用管理制度を見直した企業の見直しの内容は、「勤務地を限定したコースを追加するなど、転勤の有無、範囲によるコース区分の見直し(以下「コース区分の見直し」という)」(28.1%)が最も多く、次いで「職務内容、職務レベルの高低によってコースを分轄、またはコースの統合(以下「コースの分轄・統合」という)」(26.6%)、「一方へのコース転換のみ認めていたものを両方向とするなど、コース転換の柔軟化(以下「コース転換の柔軟化」という)」(20.3%)、「昇格に上限のあるコースの昇格上限を引き上げるなど、各コースの処遇の見直し(以下「各コースの処遇の見直し」という)」(20.3%)となっている。
  ポジティブ・アクションの取組状況別に見直しの内容をみると、Aタイプでは、「従来女性の割合が著しく低かったコースに優先的に女性を配置」(31.8%)、「コース区分の見直し」(31.8%)となっており、Bタイプでは、「コース区分の見直し」(38.5%)、「コースの分割・統合」(30.8%)、「コース振分けの時期の変更」(23.1%)、「コース転換の資格要件の緩和」(23.1%)、「各コースの処遇の見直し」(23.1%)となっており、Cタイプでは、「コースの分轄・統合」(42.9%)、「各コースの処遇の見直し」(28.6%)、「コース区分の見直し」(28.6%)となっており、Dタイプでは、「コース転換の柔軟化」(40.0%)、「コースの分轄・統合」(26.7%)、「コース転換の資格要件の緩和」(20.0%)となっている。(図表11、付表第12表)

(平成15年以降コース別雇用管理制度の見直しをした企業=100.0%)

5.女性管理職の状況

(1)女性管理職数及び管理職に占める女性の割合

① 女性管理職数

 係長相当職以上の女性管理職数は、平成15年調査時の8,419人と比較して平成19年調査では11,114人となっており1.32倍に増加している。役職別に見ると「役員」で0.98倍(平成15年306人、平成19年300人)、「部長相当職」で2.35倍(平成15年182人、平成19年427人)「課長相当職」で1.13倍(平成15年1,751人、平成19年1,981人)、「係長相当職」で1.36倍(平成15年6,180人、平成19年8,406人)となっており、部長相当職の増加割合が高い。(付表第13表)

② 女性管理職割合

 平成19年調査で、役職別に管理職全体に占める女性の割合(以下「女性管理職割合」という)をみると、「係長相当職以上の管理職」では4.1%(平成15年3.1%)、「役員」で4.5%(平成15年4.7%)、「部長相当職」では1.0%(平成15年0.6%)、「課長相当職」では2.2%(平成15年1.8%)、「係長相当職」では6.3%(平成15年4.6%)となっており、「役員」以外の役職で女性管理職割合が高まっている。(図表12、付表第13表)

( )内は平成15年調査の数字

③ ポジティブ・アクションの取組状況の区分による女性管理職割合の状況

 これを、ポジティブ・アクションの取組状況別にみると、平成19年調査において、「係長相当職以上」の女性管理職割合が最も高いのは、AタイプとDタイプの4.3%であり、Bタイプは3.3%、Cタイプは3.4%となっている。
  また、平成15年調査と比較すると、「係長相当職以上」は、Aタイプが1.5%ポイント増加(平成15年2.8%、平成19年4.3%)、Bタイプが1.4%ポイント増加(平成15年1.9%、平成19年3.3%)であるが、Cタイプは1.1%ポイント減少(平成15年4.5%、平成19年3.4%)、Dタイプは0.2%ポイント増加(平成15年4.1%、平成19年4.3%)となっている。(図表13、付表第13表)


係長相当職以上の管理職に占める女性の割合 係長相当職以上の女性管理職を有する企業割合
産業・規模計 4.1 (3.1) 69.8 (67.0)
Aタイプ:15年、19年共に「取り組んでいる」 4.3 (2.8) 84.4 (79.6)
Bタイプ:15年「取り組んでいない」、19年「取り組んでいる」 3.3 (1.9) 78.8 (76.0)
Cタイプ:15年「取り組んでいる」19年:「取り組んでいない」 3.4 (4.5) 69.1 (69.1)
Dタイプ:15年、19年共に「取り組んでいない」 4.3 (4.1) 61.8 (58.5)

( )内は平成15年調査の数字


(2)女性管理職を有する企業割合

① 女性管理職を有する企業割合

 平成19年調査では、「係長相当職以上(役員を含む)の女性管理職あり」の企業は69.8%(平成15年67.0%)、「なし」の企業が29.8%(平成15年32.8%)となっている。「役員」のいる企業は21.7%(平成15年23.9%)、「部長相当職」のいる企業は12.6%(平成15年10.8%)、「課長相当職」がいる企業が33.9%(平成15年28.9%)、「係長相当職」がいる企業が49.2%(平成15年46.1%)となっており、「役員」以外の役職で平成15年時より上昇した。
   規模別にみると、「係長相当職以上の女性管理職あり」とする企業は、企業規模5,000人以上で92.0%、1,000~4,999人で86.5%、300~999人で76.7%、100~299人で65.8%、30~99人で59.9%となっており、企業規模が大きいほど「係長相当職以上の女性管理職あり」とする企業の割合が高くなっている。(図表14、図表15、付表第14表)

( )内は平成15年調査の数字

② ポジティブ・アクションの取組状況の区分による特徴

 ポジティブ・アクションの取組状況別に見ると、平成19年調査では「係長相当職以上の女性管理職あり」の企業割合が最も高いのはAタイプの84.4%であり、ついでBタイプ(78.8%)、Cタイプ(69.1%)、Dタイプ(61.8%)の順となっており、ポジティブ・アクションに継続して取り組んでいるAタイプにおいて、「係長相当職以上の女性管理職あり」の割合が最も高くなっている。
  平成15年調査と平成19年調査との比較において、「係長相当職以上の女性管理職あり」の割合が最も増加しているのは、Aタイプ(4.8%ポイント増、平成15年79.6%→平成19年84.4%)、次いでDタイプ(3.3%ポイント増、平成15年58.5%→平成19年61.8%)、Bタイプ(2.8%ポイント増、平成15年76.0%→平成19年78.8%)となっており、Cタイプは変化なし(平成15年、平成19年とも69.1%)となっている。(図表13、付表第14表)

③ 平成15年調査で女性管理職なしの企業の変化の状況

 平成15年調査で「係長相当職以上の女性管理職なし」と回答した企業が平成19年調査にはどのように変化しているかを見ると、68.4%が「なし」と答えているが、30.9%の企業は「あり」となっている。
  ポジティブ・アクションの取組状況別にみると、平成15年調査で「係長相当職以上の女性管理職なし」と答えた企業で平成19年調査で「あり」となった割合の最も高いのは、Bタイプの52.0%、次いで、Aタイプの47.4%となっている。現在ポジティブ・アクションに取り組んでいる企業においては、取り組んでいない企業よりも女性管理職を有するように変化した割合が高い。(付表第15表)

(3)企業における女性管理職数の増減状況

① 女性管理職数が増加した企業、減少した企業の状況

 平成15年調査と平成19年調査の間に女性管理職数が増加した企業と減少した企業の割合をみると、「増加した」企業が39.9%、「変化なし」が37.3%、「減少」が22.8%となっている。
  役職別にみると、「役員」、「部長相当職」が「増加」した企業の割合は、それぞれ8.5%、8.9%、「課長相当職」と「係長相当職」ではそれぞれ25.1%、36.5%と、低い階級の役職ほど増加企業の割合が高くなっている。 (付表第16表)

② ポジティブ・アクションの取組状況の区分による特徴

 ポジティブ・アクションの取組状況別に女性管理職数の増減状況をみると、平成19年調査時にポジティブ・アクションに取り組んでいるAタイプ及びBタイプでは「女性管理職数が増加した」企業はそれぞれ56.3%、53.4%と5割以上が増加しているのに対し、平成19年調査時にポジティブ・アクションに取り組んでいないCタイプ及びDタイプは「増加した」企業は36.6%、31.1%と3割台にとどまっている。
   Aタイプ、Bタイプの管理職が「増加した」とする企業の割合は「部長相当職」(14.8%、18.4%)、「課長相当職」(40.8%、33.3%)、「係長相当職」(51.2%、43.0%)となっており、Cタイプ、Dタイプ(「部長相当職」(5.5%、5.3%)、「課長相当職」(25.6%、16.0%)、「係長相当職」(34.8%、29.3%))に比較し、どの役職においても「増加した」とする割合が高い。(付表第16表)

③ 10年前と比較した女性管理職の増減及び増えた理由

 10年前と比較し「女性管理職が増えた」企業は26.4%、「変わらない」企業が66.3%、「減った」企業が3.5%である。
  ポジティブ・アクションの取組状況別に女性管理職が増えた企業割合を見ると、平成19年調査でポジティブ・アクションに取り組んでいるAタイプ、Bタイプはそれぞれ48.9%、37.5%であるのに対し、平成19年にポジティブ・アクションに取り組んでいないCタイプ、Dタイプは22.5%、16.2%と、Aタイプ、Bタイプに比べて低い。
 女性管理職が増えた理由は、「女性の積極的な登用に取り組んだ」(51.0%)とする企業割合が最も高く、次いで「男女に公正な人事考課を実施した」(48.2%)の割合が高い。
 増えた理由をポジティブ・アクションの取組状況別にみると、10年前と比較して女性管理職が増えた企業の割合が高いAタイプ及びBタイプでは「女性の積極的な登用に取り組んだ」から(63.7%、59.0%)、次いで「男女に公正な人事考課を実施した」(50.5%、53.8%)とする割合が高くなっている。10年前と比較して女性管理職が増えた企業の割合の低いCタイプ及びDタイプでは、「男女に公正な人事考課を実施した」(50.0%、41.8%)、「女性の積極的な登用に取り組んだ」(39.1%、35.8%)の順となっている。(図表16、付表第17表)

(10年前と比較して女性管理職が増えた企業=100.0%)

④ 女性管理職が少ないあるいは全くいない理由

 平成19年調査において女性管理職が少ない(1割未満)あるいは全くいない管理職等が1つでもある企業について、その理由をたずねたところ、「必要な知識や経験、判断力等を有する女性がいない」(51.5%)が最も多く、次いで、「勤続年数が短く、管理職になるまでに退職する」(36.8%)、「将来管理職に就く可能性のある女性はいるが、現在管理職に就くための在籍年数を満たしている者はいない」(35.7%)などとなっている。
  平成15年調査時は、上記3つの理由を上げる企業の割合はそれぞれ54.9%、39.4%、39.3%であったので、その割合が低下している。一方、「女性が希望しない」とする企業の割合は、平成15年が12.7%であったものが、平成19年では24.2%と増加している。(付表第18表)

6.ポジティブ・アクションの取組状況

(1)平成19年調査結果

 平成19年調査では、ポジティブ・アクションの取組状況別企業割合を見ると「取り組んでいる」が31.3%で、「取り組んでいない」が66.7%となっている。取り組んでいない企業の今後の取組予定については、「今後、取り組むこととしている」(16.0%)、「今のところ取り組む予定はない」(43.2%)、「わからない」(38.8%)、「前に取り組んだが、現在は取り組んでいない」(1.9%)となっている。(図表17、付表第19表)


(2)ポジティブ・アクションを推進することが必要な理由

 平成19年調査でポジティブ・アクションに「取り組んでいる」又は「今後、取り組むこととしている」と回答した企業が、ポジティブ・アクションを推進することが必要な理由を見ると、「男女ともに職務遂行能力によって評価されるという意識を高めるため」(69.2%)が最も割合が高く、次いで「女性の能力が有効に発揮されることにより、経営の効率化を図るため」(63.0%)、「働きやすく公正に評価される企業として認められ、よい人材を確保できるため」(62.5%)、「男女社員の能力発揮が生産性向上や競争力強化につながるため」(59.9%)の順となっている。(図表18、付表第20表)


必要な理由:ポジティブ・アクションに「取り組んでいる」又は「今後取り組むこととしている」企業=100.0%
効果があった事項:ポジティブ・アクションに「取り組んでいる」企業=100.0%


(3)ポジティブ・アクションに取り組んだ効果

 平成19年調査でポジティブ・アクションに取り組んでいる企業が、ポジティブ・アクション取組の効果としてあげている中で最も割合の高いものは、「男女ともに職務遂行能力によって評価されるという意識」が高まった(51.7%)とする割合が最も高い。次いで、「女性の能力が有効に発揮されることにより、経営の効率化を図る」(37.6%)、「働きやすく公正に評価される企業として認められ、よい人材を確保できる」(36.6%)、「男女社員の能力発揮が生産性向上や競争力強化につながる」(34.5%)の順となっている。(図表18、付表第21表)

(4)ポジティブ・アクションの取組事項

① 実施している取組項目

 平成19年調査でポジティブ・アクションに「取り組んでいる」と回答した企業が実施している取組事項で最も高い割合となっているのは、「性別により評価することがないよう人事考課基準を明確に定める」(73.1%)で、次いで「女性がいない又は少ない職務について、意欲と能力のある女性を積極的に採用する」(54.5%)、「男女の役割分担意識に基づく慣行の見直し等、職場環境・風土を改善する」(50.3%)、「仕事と家庭との両立のための制度を整備し、制度の活用を促進する」(48.3%)の順となっている。(図表19、付表第22表)


(平成19年調査でポジティブ・アクションに「取り組んでいる」と回答した企業=100.0%)

② 今後実施する予定の取組事項

 平成19年調査において「取り組んでいる」と回答した企業が、今後実施する予定の取組事項で最も割合が高いのは、「女性がいない又は少ない職務・役職について、意欲と能力のある女性を積極的に登用する」(27.9%)であり、次いで「女性の能力発揮の状況や能力発揮に当たっての問題点の調査・分析を行う」(26.6%)、「男女の役割分担意識に基づく慣行の見直し等、職場環境・風土を改善する」(26.2%)となっている。(図表19、付表第22表)

(5) ポジティブ・アクションに取り組む予定のない理由

 ポジティブ・アクションに取り組む予定のない企業にその理由についてみると、平成19年調査で「今のところ取り組む予定はない」と回答した企業の約5割(46.4%)が「既に十分に女性が能力を発揮し、活躍しているため」とし、次いで「日常の業務が忙しいため、対応する余裕がない」(9.7%)となっている。「既に十分に女性が能力を発揮し、活躍しているため」とする企業を産業別にみると、医療・福祉で80.0%、情報通信業で77.8%、飲食店、宿泊業で72.7%となっている。(図表20、付表第24表)

(平成19年調査でポジティブ・アクションに「取り組む予定はない」と回答した企業=100.0%)

(6) 女性の活躍を推進する上での問題点

  女性の活躍を推進する上での問題点は、「家庭責任を考慮する必要がある」とする企業割合が53.9%と最も高く、次いで「女性の勤続年数が平均的に短い」(48.4%)、「一般的に女性は管理職や新しい業務に就くことを敬遠する」(40.5%)、「時間外労働、深夜労働をさせにくい」(31.5%)となっている。(図表21、付表第25表)


7.平均勤続年数

(1)男女労働者の平均勤続年数

 平成19年調査における平均勤続年数は、女性10.9年、男性14.5年でその差は3.6年である。平成15年調査では、女性8.1年、男性11.3年でその差は3.2年である。平成15年調査と平成19年調査を比較すると勤続年数は女性2.8年、男性が3.2年伸びている。(付表第26表)

(2)平均勤続年数階級別構成

 平成19年調査の平均勤続年数階級別企業割合を見ると、女性は「5年以上10年未満」(33.3%)が最も多く、ついで「10年以上15年未満」(29.0%)となっている。男性は、「15年以上20年未満」(28.3%)が最も多く、次いで「10年以上15年未満」(27.8%)となっており、男女の平均勤続年数の違いが表れている。
  また、女性の平均勤続年数階級別企業割合を平成15年調査と比較すると、平成15年調査では「5年未満」とする企業(23.0%)と「5年以上10年未満」とする企業(47.7%)を合わせた「10年未満」の割合は70.7%であったが、平成19年調査では45.9%に減じており、逆に10年以上のいずれの階層の割合も増加している。(付表第27表)

(3)10年前の勤続年数との比較による伸長状況

 10年前と比較した女性の平均勤続年数の伸長状況を見ると、「伸びた」とする割合は58.0%、「変わらない」は33.3%、「短くなった」は5.1%となっており、女性の平均勤続年数の伸びている企業の割合が高い。
  ポジティブ・アクションの取組状況別に「伸びた」とする企業割合をみると、平成19年調査でポジティブ・アクションに「取り組んでいる」Aタイプ、Bタイプは、71.0%、64.4%であるのに対して、平成19年調査で「取り組んでいない」Cタイプ、Dタイプは57.4%、51.4%となっており、平成19年調査時にポジティブ・アクションに「取り組んでいる」企業の方が平均勤続年数が伸びているとする企業の割合が高い。(付表第28表)

(4)女性の平均勤続年数の伸長理由

 10年前と比較して女性の平均勤続年数の伸びた企業について、その理由をみると、「女性の働く意欲、目的意識の向上」(60.0%)、「育児・介護休業制度の整備・利用促進」(55.9%)、「職場全体の意識の変化」(42.9%)、「男女を問わず、公平な業務分担、管理職登用等能力に応じた人材の活用」(33.8%)となっている。
  ポジティブ・アクションの取組状況別にみると、Aタイプではどの項目も他のタイプより高くなっている。(図表22、付表第28表)


(女性の勤続年数が伸びた企業=100.0%)