【随想】

地域のジェンダーギャップ


 先日、ある地域の30代の女性の方から、自分の職場では女性には重要な仕事は任せないという雰囲気で、自分はもっと頑張りたいのに残念だとの話をうかがいました。都市部の大企業では女性にも重要な仕事を任せて活躍してもらおうというところが多いと聞くがうちの地域ではまだまだ、と言われていました。

 業種や規模によっても、またそれぞれの企業によってもジェンダーギャップの状況は異なりますが、地域による違いも大きいと感じています。大都市圏の企業では当然の取組みでも、地域によってはまだ進んでいない場合もあります。

 女性活躍状況の違いは、政治、行政、企業など、それぞれの分野で現れます。内閣府男女共同参画局のホームページには、「女性の政治参画マップ」「都道府県別全国女性の参画マップ」などの情報があり、それによると、都道府県議会議員における女性議員の割合が高いのは、1位東京都、2位香川県、3位京都府、低いのは、47位大分県、46位山梨県、45位福井県となっています。また、自治会長に占める女性の割合が高いのは、1位大阪府、2位高知県、3位東京都、低いのは、47位群馬県、46位山形県、45位長野県となっています。総じて、東京などの都市部が高い傾向にありますが、一部都市部以外でも頑張っている地域もみられます。

 こうした活躍状況の違いの大きな要因の一つは、各地域での意識や男女の取扱いの差にあると思われます。

 内閣府が実施している「男女共同参画社会に関する世論調査」(令和6年9月調査)において、「家庭生活において男性の方が優遇されている」との回答は、全国平均で60.7%、関東は57.9%であるのに対し、九州は68.3%、東山(山梨県、長野県、岐阜県)は66.7%などの差がみられます。「職場において男性の方が優遇されている」との回答は、全国平均で63.8%、関東は61.2%、東山は69.4%、東北は66.8%などの差がみられます。

 こうした差が、女性の意欲に影響を及ぼし、活躍への阻害要因となっている可能性が大きいでしょう。

 一方で、各地域で温度差はありますが、自治体や女性センター等が中心となり地域の男女共同参画が進められ、複数の企業が協力して職場の女性活躍を進めようとする取組みもみられます。一企業だけの取組みでは地域全体の意識改革につなげることはなかなか難しいでしょうから、自治体も含め地域全体でジェンダーギャップの改善に取り組むことが効果的です。当財団もお役に立てるよう努めてまいります。

(21世紀職業財団会長 定塚由美子、情報誌「ダイバーシティ21」2025年冬号より)

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