【スーパーバイザーコラム】ハラスメント対応A to Z《第1回》
指導のための「かきくけこ」
ハラスメントについての意識が高まる昨今、部下をどう指導してよいかわからない、と頭を痛める管理職の方が増えています。
2020年1月に示されたパワハラのガイドラインでは、業務上必要な指導はパワハラに該当しない、とされたものの、具体的にどうすれば「必要な指導」になるのか、明確ではないのも事実です。
そこで、プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社代表の秋山進氏と、「指導のための“かきくけこ”」を考えました。
か 「環境」を整える
他のメンバーもいる場でつい、SNSでうっかり、とならないように、指導や注意する場合には落ち着いて話せる環境を整えるよう準備しましょう。
き 「記録」に基づく
なんとなくの指導にしないために、事実関係を明確に、実際の言動や経過をしっかり記録しましょう。
く 「具体的」に話す
改善が必要な点をピンポイントで具体的に指摘しましょう。「だいたい君はいつも」と話が広がると、人格否定や攻撃になりがちです。
け 「傾聴」する
頭ごなしにせず、お説教やアドバイスはまず控えて、相手の言い分を聞きましょう。「この人だったら話してみようかな」と思われることが、信頼関係づくりの第一歩です。
こ 「これから」を明確にする
今後どう変わってほしいか、スケジュール感をもって合意を得るようにしましょう。注意しっぱなしにならないよう、フォローしましょう。
そしてこのような面談を実施した場合には、
き 「記録」する
面談の内容を具体的に記録して、指導が散発的にならないようにしましょう。また自分の介入の証拠を残すようにしましょう。
この「“かきくけこ”+“き”」を習慣化することでハラスメントが防げるだけでなく、メンバーとのコミュニケーションが改善することが期待できます。
(スーパーバイザー八木亜紀子、2021/5/17掲載)