【スーパーバイザーコラム】ハラスメント対応A to Z《第4回》

なぜ「アンガーマネジメント」が役に立つのか

 アンガーマネジメントを身に付けることにどんなメリットがあるのか、見てみましょう[図1]。

 この図では、縦軸がエネルギーのレベル、横軸が時間の経過を表しています。

 怒りのコントロールが苦手な人に、「瞬間湯沸かし器」という表現をよく使いますが、本当に突然怒りのピークを迎える、ということは、心理学的にはめったにありません。あるいは、ある日突然、気持ちが落ちこんで体が動かなくなった、という人がいますが、これも内分泌系や循環器系などの病気でない限り、前触れなくそんな状況になることはそうそうありません。

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 怒りや、外に発散されない怒りに起因するうつ状態には、なんらかの予兆があり、エネルギーはだんだんと蓄積されていきます(①)。それがピークを迎えて爆発します(②)。怒りを外に向けて爆発したり、外に発散されないエネルギーが自分の身体を内側から攻撃したりするのはこの時です。その後、エネルギーレベルは徐々に下がり(③)、一見すると通常に戻ったようにも思えます(④)。

 しかし、強い感情を感じている間、わたしたちの身体はギアが上がった状態になっています。そのため、そこで使い果たしたエネルギー(⑤)を取り戻すべく、その後セーブモードのような状態になりますので、本来に戻るにはさらに時間がかかるのです(⑥)。

 感情のコントロールを考えると、②の爆発に注目が集まりがちですが、実は、そのあといつもの自分に戻るには思った以上に時間がかかり(⑦)、心身にもダメージがある(⑧)という影響は見逃せません。

 そこでアンガーマネジメントの出番です[図2]。

 感情のレベルが上がり始めたことにいち早く気づいて(⑨)方向転換することができれば(⑩)、浪費するエネルギーは少なくて済みますし(⑪)、本来の状態に戻るのも早くなります(⑫)。感情に任せて爆発する場合に比べると、アンガーマネジメントのテクニックを使って代替行動が取れれば、元の自分に戻る時間もうんと短くなりますし(⑦、⑬)、心身へのダメージも軽度で済むということです(⑧、⑭)。

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(スーパーバイザー八木亜紀子、2021/10/13掲載)


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