【スーパーバイザーコラム】ハラスメント対応A to Z《第5回》
自分の「アンガースイッチ」を知る
アンガーマネジメントはまず、自分のパターンをプロファイリングすることから始まります。その第一段階として、自分の感情が揺さぶられるきっかけを認識しましょう。やる気スイッチならぬ、アンガースイッチ探しです。
前回もご紹介した図で言うと、そもそも、どういう時に上り坂を登り始める傾向があるか(①)を把握します。スイッチが押された際には「イラッ」「ムカッ」「カチン」だけではなく、「がっかり」「ショック」と感じることもあることを意識しながら、以下の項目を見てみてください。
- A)自分が
- □ 不当な扱いを受けるとき
- □ 恥ずかしいとき
- □ 無視されるとき
- □ 自分がやったことが評価されないとき
- □ 指示に従わなければならないとき
- □ 失敗したり出来が悪かったりしたとき
- □ 絶望したり、コントロールできないと感じたりするとき
- □ 嫉妬するとき
- B)相手から
- □ 侮辱されるとき
- □ 仕事で批判されるとき
- □ 話を聞いてもらえないとき
- □ 同意してもらえないとき
- □ 自分と同じくらい一生懸命仕事してもらえないとき
- □ 嘘をつかれるとき
- □ ああしろこうしろと言われるとき
- □ 失礼にされるとき
- □ 遅刻されるとき
- □ 自分がこうしてほしいと思うように行動したり感じたりしてもらえないとき
- C)次のような状況に置かれたとき
- □ 交通渋滞やあおり運転
- □ 駐車場での他のドライバーとのもめごと
- □ 職場でのいざこざ
- □ 家族げんか
- □ 子供が言うことを聞かない
- □ 銀行や店での行列
- □ 金銭問題
- □ 大声
- □ 時間を無駄にする
- □ 試合やゲームに負ける
- □ 偏見、差別
- □ 児童虐待
- □ 動物虐待
日々の生活の中で、アンガースイッチが押される状況すべてを回避することは難しいですが、自分の中の傾向が把握できれば、対策が立てられます。特に職場で「鬼門」となる状況への解決策も、見出しやすくなります。
漫然と、「怒りっぽい」「傷つきやすい」と性格の問題にしてしまうと、それを変えることは途方もないことのように思えて、本人も周囲も諦めてしまいがちです。行動変容を可能にするためにも、まずは事象をコンパートメント化(区分け)することから始めましょう。
(スーパーバイザー八木亜紀子、2021/12/2掲載)